今宵は、FRIDAY NIGHT.
というわけで書きます、ゆうべのZAZEN BOYS.
一言で言えば、常磐津の気迫だった。
奏者の呼吸、間合、気合、これをはずしたら誰かが地獄に堕ちそうな、崖縁の緊迫だった。
爆と静を緻密に織り上げていく。生きると死ぬを何万遍も繰り返し、ひとつの曲が殴り描く、人間という宇宙の大団円に向かって全速力で走り、走り、突っ走り、最後は一気に、収縮。無。
およそ音楽の感想文など適性がかけらもないのは四、五百も承知だ、恐縮。むむ。
確かなのは、陳腐な涙などではないと信じたいが、生暖かい水みたいな、どうもなにか細長い液体が、始終左の目玉の右の端からつつと垂れてきたのには弱った。うざったく、始終ぬぐった。
理由なんてない。ただ、差し迫る切迫が某の腺を圧迫したのだった。そして、帰宅すると発熱していた。頭や心を差し置いて、身体がいの一番に反応していた。かくして目出度く、今年初の夏風邪を引いた。